心の治療をしたら腹痛が治りました。
腹痛が治らず、検査したり薬を飲んでみたりしたけど万全には程遠い日々
お腹をみてくれてる医師から「この薬(胃を保護する薬)で大きく改善しなければ、心因性と考え不安の薬もやってみましょう」
と言われ、なるほど…ストレスは胃腸にくるというしな、、と妙に納得していた
同じころ、心療内科の医師から
「漢方で様子みてみたけど、やはり辛そうである。このしんどさは大変だと思う。不安の薬を出すから、やってみましょう」
と言われました。
抗うつ剤なるものが出て、飲み始めたら腹痛が消えました。
どうやら腹痛はストレスが原因だったようです。
薬を飲み始め、ふたたび胃腸医師の診察があった際に「先日抗うつ剤が出て飲み始めたら腹痛が消えました」と報告すると
胃腸医師はにこにこして
「そうじゃないかって思ってたよ。よかったね。その薬ならうちでも心因性腹痛の人に処方してるから、心療内科に通えなくなったりしたときはこちらで出してあげるね」
と言ってくれました。ああそれは安心だな。
ところでその抗うつ剤というのを処方された夜、
わたしはかなり悩みました。
つらさがとれない→薬に手伝ってもらう
という理屈だとわかっているものの、
素人ながらに持つそういった薬のイメージがもくもくわいてきて、
それと「自分の力では克服できなかった」という謎の敗北感があって
この薬を飲む以外に、できることがあるんじゃないかと考えたり。
本当なら夕食後に飲むその薬を寝る前まで飲むことができませんでした。
飲み始めは副作用(吐き気など)が強くでるかもしれないと言われていたので
胃腸が万全でないわたしにはかなり勇気がいることだったけど
翌朝、じぶんの頭の静けさに、副作用どころではない驚きがありました。
薬を飲む前の自分は、目の前で起こっていることに先々やらねばならないことを上乗せして
こんなにできない、がんばってるのにおわらない、と押しつぶされている状態だったけれど
はじめて薬を飲んだ翌朝は
今考えなくていいことはまったく思い浮かばなくなり、目の前のことだけ、しかも本当に優先的なことだけじっとみて、そのことのみ考えることができるようになった感じがすごくありました。
何を言ってるのだ?と思う人もいるかもしれないけど
たとえば今までなら、
子どもを着替えさせながら「まだお皿も洗ってない、洗濯物も片付けてないしゴミもあつめてない。連絡帳も体温測定も…あの人に連絡を返してないし、あああと◯分しかない、コーヒー飲みたいな、週末どこに行こう調べなきゃ昼休みなら調べられるかな、今日は仕事に行ったらこういう風に動いて…」
とずっと頭がぐるぐるしていて、できていないこと、すぐにはできないことを考えるとそれだけでイライラが増えるのに、考えるのをやめられない
その結果、突然こどもに「じっとしててよ!ママは顔も洗えてないのに」と叫ぶ
というのが普通の状態でした。
そういうものだし、みんなそうやっていつも先々のことを考えながら暮らしてるよねと。
それが薬を飲んだら、子どもの着替えのことだけを考えていて、やらなきゃいけないことは変わってないはずなのに、気にならなくなりました。
やらなきゃいけないけど、そのうち、そのうち、ああまだこの時間なら慌てなくて大丈夫だよ(と自分に声をかける)
頭のどこかで、こんなにのんびりしてていいの?あれもこれも終わってないけど?という声がかすかにするけど、
するだけで、放っておくことができる
ひとつひとつやって、できなければできるところまででOK
家事の手をとめて、子どもをだっこすることもできるように。
薬を飲まなくてもできそうだけど?
と思う人もいるかもしれません。わたしもそう思うし、そういう人もいるんじゃないかと思います。
でもわたしは多分それが自力でできなくて、薬で圧倒的にその傾向にしてもらって
気持ちが楽になって、腹痛が消えたということだと思います。
できないというか、知らなかった。こんなに自分が切羽詰まらなくても
なんとかなるということを。
思考のスピードが急に水の中で体を動かすみたいにゆっくりになってしまう感じでした。
それって質が落ちてる?と気になります。
いやいや、今まで暴走していただけなんだと気がつきます。
こんなに考えられる項目が減ってしまって、仕事に支障が出ないか?
とうっすら思いながら(うっすらしか思えない)出勤し、たしかにスローだったけど
余分なことを考えないので、仕事はきちんと終わりました。
時々盛り上がる、職場の会話にも参加しないでもくもくとやっていました。
前なら時には気の利いたこと言ったほうがいいかな、とか、考えてたけど
もくもくやっていても誰もなにも言わなかったです(当たり前だけど)
楽になった。でも誰も気づいていないようだ。ということはやらなくてもいいコミュニケーションとか過剰なところがあったのかもしれない。
と気が付くことができ、
わたしのように薬の力を借りながら頑張ってる人もいるってことか、
考えたことなかったなあと思うと、自分の知ってることで判断してはいけないな、
人に優しくできるとき、していこう、自分を大事にしながら
などと考えていました。
慌てなくていいところで慌てたり、不安にならなくていいことで不安にならなくなったので、
不必要なピリピリが減りました。
夫は薬を飲むことになったことを言っても特になにも言わなかったけど、後日「こどもとの接し方がやわらかくなったね。赤ちゃんの双子のころのつなちゃんみたい。」
と嬉しそうに言っていて、
いままでかなりわたしの情緒不安定で負担をかけていたことを反省しました。
いまは薬を飲んで1ヶ月くらい経つので、
不安は抑えつつ、でも思考は水中よりはちょっと早くなっている感じがあります。
時にはいらいらするし、普通に怒ってます。以前ほどではないけど、以前の鬼のような自分がチラっと見えることもあります。
でもそれは、薬の効果が鈍ってきているのか、育児のハードさが増しているのか
わからないところなので、専門家に判断をお願いしながらなんとかしていけたらなと思います。
こういう薬を飲んでいる、と言われると気を使わせてしまうんじゃないかと思って
あんまり書かない方がいいかとなやんだけど
今はわたしは結構元気になりそれが嬉しいので書いてしまいました。
あと32歳になりました。
去年わたしは来年まで生きているかわからないと思ってたけど、
これからのことを考えるようになったり、どう生きたいかみたいに考えられるのも、元気になってきてるからかなと思います。